Dear nelsodos

2024/09/13 22:55

A monologue of editorial staff

 その日は不思議な夜だった。

夜道には月さえなく、本当に静かな夜だった。こんなに空が寂しく見えたのは初めてだった。星達は何も言わずに、ただ主人の帰りを待っていた。今日は千年に一度の日。


 部屋、「妙に眠い、こうやって、また眠りに落ちてしまう。それも悪くない」そう言って、半分目を閉じたのはミカヅキ。そんなミカツキを見て、小さく笑ったジョウゲンノツキ。

「下の方では相変わらず、小さな争いが起こっているそうだ」そう言って、皮肉に笑ったのはマンゲツ。窓から外を眺め、「僕達がいないと何も見えないね」と言ったのはカゲンノツキ。「なあカゲンノツキ、君はいいさ、半分だけ光らせるだけだろ」マンゲツは少しだけ声を高めて言った。


 ミカズキが目を覚ました。その小さな目から少しだけ光がこぼれる。「もったいない。ただでさえ僕は光が少ないのに」ミカヅキが眠そうな声で言った。「好きな人がいる」突然、ジョウゲンノツキが言った。「人?君は自分がツキだと知らないのか」ジョウゲンノツキをじっと見るマンゲツ。「ツキだって人を好きになるさ」カゲンノツキがマンゲツに言った。

「僕はお断りだね」マンゲツはすねたように上を向く。


 ミカヅキは他のツキ達の話を聞きながら、小さく笑っている。「本当はその人だけを照らしていたいのさ」ジョウゲンノツキは楽しげに言った。「いいな。恋だね。ツキの恋」カゲンノツキは微笑んだ。「君達はツキとしてのプライドがないのか?」相変わらず不機嫌なマンゲツ。「そんなこと言って、マンゲツだって人に恋をしただろ。最近の話さ、ほんの七千年前だったかな」ミカズキは小さな目を大きく開いて言った。「もう忘れたさ」窓の外に目をそらしたマンゲツ。「少しは影がある方がいいかもね」カゲンノツキは言った。「僕には影がありすぎるよ」少しだけ寂しそうなミカヅキ。


 ジョウゲンノツキは何かを考えているようだった。楽しい想像、悲しい想像。「そろそろ戻る時間だね。今日は誰だった?」カゲンノツキが言った。「僕ではないよ」マンゲツは窓の外を眺めながら言った。「僕はもう少し眠りたいから」ミカヅキが言った。「それでは誰が行くのかな?」カゲンノツキはあきれ顔。


 千年に一度の小さなけんか。千年に一度の小さな出会い。千年に一度の小さな恋。今日も柔らかく、月の光があなたを包む。


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この物語を書いた友人に

どんな気持ちで書いているのか?と聞いてみたら、


『心を鈍感にせず少し想像するのです。

少し考えるのです、それだけですよ。

書くこと意外にも何でも言えることではないかな?』と答えました。


わたしももっと上手にアクセサリーが作れたらいいのにな。。

次の十五夜にお願いしてみようかな?

🌚🌝